新刊・旧刊をふくめた、まんがレビューblog。 その他、まんがに関すること。 
 
 

押見修造「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」は、青春の痛さ全開! 不器用だけど熱いコミュニケーションに注目!!

【あらすじ】
大島志乃は、自分の名前が言えない。
高校に入って初めての自己紹介でも、名前が言えず。
クラスメイトから笑われ、ひとりぼっちの日々を送っていた。
そんなとき出会った加代と友だちになるのだが…。


志乃ちゃんは自分の名前が言えない01
押見修造「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」(太田出版)

人前で話すことが苦手なボクにとっても。
自己紹介はかなりドキドキしてしまう。
でも、自分の名前ぐらいは言える。

大島志乃は、自分の名前が言えない

緊張からか、性格からか。
志乃は言葉が突然、出なくなることがあるんだ。
とくに“母音”ではじまる言葉は苦手。

“ありがとう”は“サンキュー”のように言い換えができるけど。
「おおしま しの」は言い換えることができない。
だって名前だから。

そんな彼女にとって、自己紹介悪夢そのもの。
志乃ちゃんは自分の名前が言えない02

名前が言えず、クラスメイトに笑われて
ひとりぼっちでいたところ、加代と出会う。
志乃ちゃんは自分の名前が言えない03
加代は“音痴”であることがコンプレックス
ただひとり、名前が言えない志乃を笑わずに接してくれた。


歌を歌うときは、不思議と言葉が出てくる志乃。
その歌声に惹かれた加代は、ギターを弾くから“ふたりで文化祭に出よう”と提案するんだけど…。
志乃ちゃんは自分の名前が言えない05
自分の名前が言えない志乃と。
音痴な加代と。
どちらも人から笑われる、強いコンプレックスを持ってい る。

そんなふたりが出会い、不器用ながらも友情を深めていく。
…だけど、そんなに簡単にいくはずがなくて。
志乃ちゃんは自分の名前が言えない06

傷つけて、傷つけられて、逃げ出して。
かなしくて、さびしくて。
そんな気持ちさえ、言葉に出てこない

ままならない思い。
その感情を、ありのままに志乃が吐き出すラスト。
劣等感の荒海を渡る志乃と、加代の姿に注目してほしい。

青春の痛さ全開!
こういう話大好きだー!

   00:44 | Trackback:0 | Comment:0 | Top

松本藍「生きろ! モリタ」は、ヘタレでドMな26歳男が、天然ドS女子高生と出会う“SMラブコメディ”

26歳で定職なし、彼女いない歴=年齢、童貞…そしてドM。
ヘタレなモリタは、出会い系サイトでSMパートナーと知り合う。
それは天然ドSな女子高生、彩ちゃん
セーラー服の女子高生に“支配”されるモリタの日々がはじまる…!!


生きろモリタ01
松本藍「生きろ! モリタ」(大田出版)

童貞ドM超ヘタレ
まあかなり残念な26歳のモリタですが。
かなり勇気を出して出会い系サイトに登録。
知り合えたのが、なんと女子高生の彩ちゃんですよ。
生きろモリタ04
瞳をキラッキラッさせながら“どっち好き?”てw
しかも楽じゃない方を選ばせるSっぷり。
彩ちゃん(処女!)…パネエっす。


新しいオモチャを手に入れた子供みたいに。
年上の“ド変態”をいじくり倒す彩ちゃん。
生きろモリタ03
めちゃくちゃ楽しそうww

だれかに支配されたい
そんな気持ちで“SMプレイ”をしていたはずのモリタだけど。
だんだん胸がもやもやしてきて。
生きろモリタ02
どうやらハートまで彩ちゃんに支配されちゃったみたい。
(うまいこと言った!w)

彩ちゃんの気持ちは果たして…!?

ヘタレ童貞ドS処女による。
あくまで明るくほがらかな“SMラブコメディ”。
ちょっぴり変化球が好きなキミにオススメです。w


『マンガ・エロティクス・エフ』掲載作。
それなりにエロいシーンもあるので注意☆

生きろ! モリタ (F COMICS)
松本藍
太田出版
   00:08 | Trackback:0 | Comment:0 | Top

灰原薬「回游の森」は、心の疼きを丹念に描き出す短編オムニバス

【あらすじ】
幼い少女を愛した男、親友に恋心を抱く少女、蛇しか愛せない男。
心に暗い森のような“秘密”をいだいた人々。
その心の疼きを丹念に描き出す、愛と秘密の短編オムニバスである。

回游の森02
灰原薬「回游の森」(太田出版)

まだ幼かったイトコの少女・ミヨに劣情をいだいたサトシ。
一線を踏み越えてしまった暗い記憶
成長し、高校生になったミヨに再会したサトシは、彼女の目を正視できない…。(第1話「逃げ水」)
回游の森01

兄さん小さい子にしか興味ないんじゃろ?

彼女は、おぼえていた。

決して消えない、過去の忌まわしい記憶
心に広がる“秘密”という暗い森をかかえ、サトシは生きていく…。

罪悪感、やましさ、心の疼き。
複雑にからみ合う感情の糸をたぐるような物語。
鈍い痛み重さに加え、セリフの鋭さも印象的な作品である。
回游の森03

全7話収録の短編集だが、リレーのように登場人物が繋がっていくのが面白い。
第1話「逃げ水」に登場したミヨが、ラストの第7話「死滅回游」にも登場。
回游”するかのように、くるりと円環となった物語
こんな粋な仕掛けも楽しめる1冊。

心の闇をみつめたい、キミに。


回游の森 (Fx COMICS)
回游の森 (Fx COMICS)
posted with amazlet at 10.02.24
灰原 薬
太田出版
   23:17 | Trackback:0 | Comment:0 | Top

押切蓮介「ピコピコ少年」は、ゲーム野郎必見のファミコン熱中伝!!

TVの中のキャラを動かす、快感。
あやしく不安げな電子音…。
まさに“ピコピコ”していたファミコン世代の作者が描く、自伝的ゲーム青春録である。

【あらすじ】
小学1年生にしてゲームに熱中していた作者
幼なじみの女の子の影響で“ファミコン”にどっぷりハマる。
ゲームに取り憑かれたような青春は、ここからスタートする…!!

ピコピコ少年01
押切蓮介「ピコピコ少年」(太田出版)

ファミコンに熱中するあまり学力は最低。
反射神経はあるぜ! と豪語するもドッヂボールの球は避けられない。

三次元女性より二次元を選び、エロゲーに性春を捧げる…。
典型的な“非リア充”。

だが、それがなんだ!?

アホだのキモイだのいわれても。
コントローラーを握り、感情を叩き込み続ける。
ただただ純粋に、貪欲にゲームの世界にすべてを捧げた作者。

…それは、まぎれもなくだ。

現実かどうかなんて関係ない。
心から追い求めるモノがあっただけで、その時間は幸せだったのだ。
と断言しておきたい。

ゲームだってなんだって、熱中したもん勝ちですよ。
楽しんだ記憶は、宝物ですから。


で、ボクが気になったのは幼なじみの貴音ちゃん。
ピコピコ少年02
作者がファミコンにハマるキッカケとなった彼女。
その悪魔的な表情に、目がクギヅケになった。
ピコピコ少年03
なにこの甘美な誘惑
ボク、貴音ちゃんとなら堕落していいッス!ww


あとすごく個人的で申し訳ないんですが…。
ものすごく共感したのが、癇癪(かんしゃく)のエピソード。
ピコピコ少年04
誰しもコントローラーを投げつけたことくらいあるハズ。
まぁ、コントローラーくらいはね…。

ボクは恥ずかしながら、スーパーファミコン2台ぶっこわしました。
癇癪で。

それで、修理しようとノコギリで切断したり。
…なに考えてたんだろう、自分。ww


それはともかく。
秘密基地を作って友達とゲームボーイしたり。
ゲームショウに徹夜でならんだり。
なかなかにキてる“ゲーム野郎”の青春が追体験できるぞ!

プレステとサターン、どちらを買うか悩んでサターンを選んだキミ!
本作をとくに強くオススメします!


ピコピコ少年
ピコピコ少年
posted with amazlet at 09.10.10
押切 蓮介
太田出版

   23:24 | Trackback:0 | Comment:0 | Top

衿沢世衣子「シンプルノットローファー」は、女子高生の日常オムニバス

いつもの教室、いつものクラスメイト。
女子校に通う生徒たち、それぞれの日常を描いた短編連作である。

【あらすじ】
舞台は私立モンナンカール女子高等学校。
26人の生徒たちの日常を描いた、12編(+α)の物語。
凧をあげたり、脱走したヘビを追っかけたり。
さまざまな女の子たちが魅力的な物語である。

シンプルノットローファー03  
衿沢世衣子「シンプルノットローファー」(太田出版)


教室でハンダゴテ使ったり、朝イチでコーヒー淹れたり。
かなりシブイ女子高生が登場するんだけど…。
こういう子たちを“個性的”とか“特別”に描いていないのが、すごくよかった。

朝、コーヒー淹れるのも、ハンダごてで電化製品を修理するのも、彼女たちにとっては“日常”なんだ。

シンプルノットローファー02

キャラに深入りしすぎず、一歩ひいた視点で描くことで浮かびあがる、1人ひとりの“日常”。
読みすすめるうちに、だんだん彼女たちの“日常”に格別の輝きを感じてくる。

いつもの教室、いつものクラスメイト。
“いつもの”が積みかさなる日々…だけどそれは“いつまでも”続くわけじゃない

シンプルノットにしめたネクタイも、履き慣れたローファーも。
いつかは通り過ぎていく思い出のかけらにすぎない。

だけど。
彼女たちが過ごした“日常”はこころの奥底に積みかさなっているんだ。
キラキラと輝く、たからもののように。

…なんて感傷的に語ってしまうのは、ボクがもう“通り過ぎた”人間だからかもしれない。

女子校ですごす生徒たち、それぞれの日常を切り取った
物語。
オススメでございます。


シンプルノットローファー
衿沢 世衣子
太田出版

【おまけ】
作中に登場する、ちょっと気になるモノを2つほど。

“りっとん”こと水野光ちゃんが使っているカメラ…これはGRデジタルですね。

シンプルノットローファー04

卒業後、学校が改築されるのを知り、記録のために写真を撮る彼女。
通り過ぎていく“時”をとじこめようとする…こういう話は大好きです。
(つか、このカメラほしかった w)

つづいて気になったのは、このカードゲーム

シンプルノットローファー05

これは「ごきぶりポーカー」というゲーム。
コウモリ、蝿、ネズミ、さそり、ゴキブリ、カエル、蜘蛛、カメムシという“嫌われ者”を押しつけ合うゲーム。
「ダウト」的な駆け引きが面白そうですね。

…なんかすごくほしくなってきた。w
   23:08 | Trackback:0 | Comment:0 | Top
 
 
プロフィール

hebitaro

Author:hebitaro
「ジャンプ」読むのに1時間!!
遅読のまんが野郎です。
新刊・旧刊とわずレビューを書いていきますので、よろしくお願いします!!

→このブログについて

Web拍手↓
拍手する
いただけると嬉しいです。

拍手コメントへの返事は↓
・拍手コメント返事(2017)・拍手コメント返事(2016)
・拍手コメント返事(2015)
・拍手コメント返事(2014)
・拍手コメント返事(2013)
・拍手コメント返事(2012)
・拍手コメント返事(2011)
・拍手コメント返事(2010)
・拍手コメント返事(~2009)

アマゾンストアも営業中!!
まんが人書店

カテゴリ
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
Amazon検索
カウンター
ブックオフ オンライン
ブックオフオンライン
バンダイチャンネル
バンダイチャンネル
フリーエリア
 
Amazon student
Amazon
楽天ブックス
楽天ブックス
当ブログ注目記事
Twitter
検索フォーム
当ブログ オススメ作品
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム
Powered By FC2ブログ

今すぐブログを作ろう!

Powered By FC2ブログ

QRコード
QRコード