新刊・旧刊をふくめた、まんがレビューblog。 その他、まんがに関すること。 
 
 

萩尾望都「レオくん」はカワイイ擬人化(?)猫まんが

学校に行ったり、お見合いをしたり。
レオくんはですが、人とおなじようにいろんなことに挑戦します。
二足歩行お箸を使うこともできる、人間みたいなのお話です。

【あらすじ】
大森さん家のレオくんは、2歳のオス猫。
“給食”で出るというプリンにつられて学校に通うことに決める。
ランドセルを背負って小学校に行くレオくん…猫だけど大丈夫!?

レオくん01
萩尾望都「レオくん」(小学館)

給食のプリンが食べたくて小学校へ通うことにしたレオくん。
案の定、落ち着いて授業を聞けません。

ボールで遊んで注意され、あくびをして叱られて。
顔を洗っても、しっぽをパタパタさせてもダメで。
レオくん02
当然、おしりをなめてもいけません。

先生に叱られて、涙目になっちゃうレオくん、ちょっとカワイソウ。
そんなレオくんがメチャメチャ可愛いよどうしよう!!


二足歩行はおろか、お箸を使えるなんて“ファンタジー”そのもの。
でも猫がラーメン食べたり、コーヒーを淹れるなんて素敵なファンタジーじゃないですか!?

レオくん03
猫舌もかまわずラーメンをすするレオくん。
キュートじゃのう。

レオくん04
猫がコーヒーを!
…ちょっとウチ来て淹れてくれぃ! w

こんな光景が見られたら、幸せですよねー。



ほかにもお見合いをしたり、まんがのアシスタント(!)をしたり。
人間みたいなレオくんの可愛い“猫っぷり”が堪能できます。

ちょっと新感覚の猫まんが(っていうのか!?)。
肩のチカラを抜いて楽しめる一作です。


   23:39 | Trackback:0 | Comment:0 | Top

つばな「第七女子会彷徨」は“不思議SF風味日常系”まんが

タイトルと表紙を見て、女の子ふたりが仲良くまったり放課後をすごすような作品か?
…と想像したら。
ある意味、当たってたけど…ずいぶん雰囲気は違った感じ
しかも、ちょっと不思議で変な感じなのである。

【あらすじ】
高木さん金村さん
“友達選定システム”で選ばれてペアになったふたりは、いつも一緒の仲良しさん。

奔放でのびのびした高木さんに対し、金村さんはフォローする立場。
漫才みたいな日常でつづられる、少し不思議な“SF物語”である。

第七女子会彷徨01
つばな「第七女子会彷徨」(1)(徳間書店)

おしゃべりしたり、じゃれあったり。
基本は女の子ふたりの他愛ない“日常もの”
そこにトッピングされたのが“不思議SF風味”だから驚いてしまう。

“不思議”というより“という言葉が当てはまるような。
日常の風景に、いきなり異物が混入されるような。
そんな“奇妙”な世界観。

第七女子会彷徨02
まさに、こんな感じ

メロンパンタコ足が入ってるみたいな話で。
さらにそれが宇宙人だったみたいな話なのである。(マジで)

女の子同士の日常に、変で不思議なSFが“日常の一部として”のっかってくる。
この“いちご大福”的なとりあわせがじつにイイ。

ココではどんな不思議なことがあっても“日常の一部”。
宇宙人が出てきても、死者と話ができても…。
高木さんのマヌケな行動と同様、“日常”にすぎない。

これを「はぐれ刑事純情派」風に例えて“不思議SF風味日常系”と名づけよう。(なんじゃそれ)

女の子ふたりが、変で不思議なSF的日常を楽しむ物語。
コレはちょっと新感覚で楽しいですよ。
オススメです。



【追記】
第七女子会彷徨03
それにしても高木さん、かなりヘンテコなキャラで笑えます。
カワイイですよね。ん? カワイイよね!?

金村さんのしっかりキャラもイイ!
このふたりの掛け合いがスゲー好きです。
   23:26 | Trackback:0 | Comment:0 | Top

たかみち「ゆるゆる」のモノクロページを検証してみる

第10回の記事のコメントに、こんなひと言をいただきました。

「ゆるゆる」の白黒ページは元から白黒だったのか、カラーを白黒にしたものかが、毎回気になっています。

確かに~。(DAIGO風)
(スミマセン、影木栄貴「エイキエイキのぶっちゃけ隊!!」読んだばっかりだったんで)


ということで、カラー部分とモノクロ部分での違いを見てみましょう。


misaki0909_01
カラーのみさきちゃん。

misaki0909_02
上の画像をグレースケールにおとしたもの。

misaki0909_03
モノクロページのみさきちゃん。


こうして見ると、2番目の画像3番目の画像はかなり似通ってます。
(まぶたの影? や頬のあたり、髪の濃度など)

いま記事を書いてて気づいたのですが…。
3枚目の画像(2009年9月号 P229)をよく見ていただきたい。
みさきちゃんの髪と、背景の境界が分かりづらい色合いになってます。

コレ、もともとモノクロで描いていたら、もっと境界をハッキリ出すハズですよね!?
カラー原稿をモノクロにしたら、たまたま背景と髪の濃度が近かった、と考えるほうが自然です。

ということで、カラー原稿をモノクロ掲載している! と断言しておきます。


…コメントくれた名無しさん、いかがでしたか!?
   23:29 | Trackback:0 | Comment:2 | Top

「LO」表紙の絵師・たかみち「ゆるゆる」第10回登場!

7/21日発売の『月刊ヤングキング』2009年9月号icon「COMIC LO」の表紙で有名な、たかみち先生の初めてのまんが作品「ゆるゆる」(第10回)が掲載中!!

たかみち「ゆるゆる」(月刊ヤングキング)関連まとめ

【あらすじ的なもの】
ひとに気づかれず、さり気なくキッチリしたい子・ユキ
本人に気づかせず、気を悪くさせずに“キッチリ”しちゃいたいんだけど…!?

ゆるゆる0909_01
・たかみち「ゆるゆる」(第10話 キッチリユキ)

ゆるゆる0909_02
ちょっと長さが違ってたら。
「ホコリがついてるよ」と直す。

荒れた本棚も、消し残した黒板も。
さり気なく、キッチリ。

押しつけじゃなくて、あくまで“さり気なく”。
この気持ちがイイですよね、綺麗で。

そんなユキちゃんに難敵が!
ゆるゆる0909_03
左右で違うくつ下を履いた子を発見!!
「間違ってるよ」なんていったらをかかせちゃう。

あくまでも、さり気なく。
ユキちゃんはどうやってこの難問をどう解決するのか…!?

無理矢理脱がせるワケでもなく。
勝手にすり替えるワケでもない。
ユキちゃんはたったひと言で“解決”してしまいます。

「一休さん」かよ!?

とボクを驚愕させたその“ひと言”はぜひ雑誌で確認してほしい。
ユキちゃんすごいや。

あ、上のモノクロカットで分かるように今月は8ページ。(カラー4P+モノクロ4P)
次回も同じく8ページとのこと。
…これはコミックスへのカウントダウンか!?(無理だって)


さて注目の「ハッピーネガティブマリッジ」!!
ハッピーネガティブマリッジ0909_01
・甘詰留太「ハッピーネガティブマリッジ」

恋愛弱者の童貞野郎佐藤啓太郎(30歳)。
いろんな意味で“キビシイ”男の心情がリアルに語られる本作。
ついにお見合い本番となりました。

相手の女性の名前は、秋緒志麻子
なんとも品のある名前じゃないですか。

上のカットのように、案の定、ふたりとも緊張ぎみ。
つか啓太郎、胸元と“香り”にヤラレてます。
コレどっちも効くんだよな…。

ゲームが趣味」とぶっちゃけちゃった啓太郎。
フツーならここで“バッドエンド”もありえる展開ですが…。
ハッピーネガティブマリッジ0909_02
志麻子さん、ゲームのモノマネで話にノッてくれました。
なんてエエ子や…(涙)。

ふんわりとした性格で、やさしく話に合わせてくれる。
いい子だ
いい子だけど…。
ハッピーネガティブマリッジ0909_03

期待して裏切られるのも

期待されて裏切ってしまうのも

メンドくさい

女の子と付き合いたかった。
でもずっと相手にされなかった
そのうち期待して傷つくのが怖くなって、自分から女の子を遠ざけて…。
なんかもう、リアルすぎて泣けてくる

30歳なのに“思春期”のまま時計が止まってるような感じの啓太郎。
志麻子さんに“思春期”な啓太郎の時間をオトナまですすめてほしい!
…なんて思ってしまいました。ふう。

そんな志麻子さんですが、居酒屋でお酒を飲んで…。
眠ってしまいました。
ハッピーネガティブマリッジ0909_04
もしかして志麻子さんはお酒に飲まれるタイプ…!?
だとすると独身という理由もうなずけるのですが、どうなんでしょ。

とにかく次回、啓太郎は童貞卒業なるか!?
期待して待ちたいと思います。
…まぁ、手は出せないと思いますが。


さぁーて、今月の「おくさん」は…?
おくさん0909_01
・大井昌和「おくさん」(第7話)

人間の愛は3年で冷めるって学説あんだぞ」との言葉に対し、上のカットのひと言。

あたしとだーさん(旦那さん)の愛は科学を超えるもん

名言いただきました!!

今回もだーさんのために働くおくさんの奮闘ぶりが楽しかったです!
とくにイイなと思ったのがこのカット。
おくさん0909_02
この何気ない所作に、だーさんへのがあらわれてます。
うらやましいなぁ…ホントに。


そして注目!
今月からプレゼントに甘詰留太先生の新作クオカードが登場!
月刊ヤングキング0909_01
見た瞬間、声にならない変な声でました。
これいいなぁ。

さらに来月からの新連載にあの作品が登場!
月刊ヤングキング0909_02
・氷室芹夏「ほのいろ。」

『月刊ヤングキング』2009年5月号iconに掲載された「あたし、小学生なんですけどぉ~」がタイトルを変えて連載化 !!

姉は貧乳高校生、妹は巨乳小学生。
姉妹とも美味しすぎる設定だった作品だけに期待大!
個人的には、ぜひとも貧乳お姉さんにスポットを当てていただきたい。
…ってコレ前にも書きましたね。

ま、とにかく、来月も『月刊ヤングキング』を心待ちにしたい!
全国数少ないサポーター(?)として細々と応援していく次第。
ではまた来月、会いましょう。

(ちなみに今月はちゃんと買えました…)

iconicon
『月刊ヤングキング』2009年9月号 icon
   00:00 | Trackback:0 | Comment:2 | Top

なかせよしみ「でもくらちゃん」は12人の少女の“群れ”が楽しい異色作

六つ子が暴れまわるギャグ作品…といえば「おそ松くん」ですよね。
同じ顔のキャラが6人動きまわるだけで、かなりのインパクトがあった作品ですが…。

これは12人の少女たちが“群れ”で動きまわる(!?)作品です。

【あらすじ】
出茂倉家に生まれた祖母は、同じ日にそれぞれ双子の母となった。
その4人の娘たちもまた、同時に子供を授かった。
…今度は、三つ子。
2×2×3=12
従姉妹と姉妹あわせて12人の幼稚園児!!(エエッ)
姿も一緒、行動も一緒。
12人の少女たちの“群れ”は、今日も仲良く団体行動します!

でもくらちゃん01
なかせよしみ「でもくらちゃん」(徳間書店)


双子の祖母がそれぞれ双子を生む。
さらに、その4人の娘がそれぞれ三つ子を授かる。

2(双子)×2(双子)×3(三つ子)=12人。

なんじゃそれ。
しかも顔も姿形もまったく同じ。
この12人、どこに行くにも団体行動なのである。

祐子、愛子、良子、慶子、幸子…。
いちおう名前はあるみたいだけど、まったく区別はできない
こんな12人の女の子が、“群れ”で動きまわる“生態”が面白い。

同じ顔の12人がズラーッとレジに並んでアイスを買う。
同じ顔の12人が自転車で遠出する。
同じ顔の12人が犬の頭をなでまくる。

かわいい少女が12人。
ひとりひとりの描きわけとか、性格づけなんてない(ココがスゴイ!!)。
でもくらちゃん02
12人の少女が“群れ”として行動する。
それが日常のひとコマを“特異な風景”に変えてしまうのだ。

空を渡る鳥の群れのように。
12人が、ひとつの意志を持った“かたまり”として生きている。
この想定外の光景に、驚き、笑わせてもらいました。

誕生日には60本のろうそくを12人で吹き消し、ケーキも12等分
こんな女の子たちの日々を見たい人は、ぜひ。
これはオススメですよ。


あ、ひとつだけ12人を見分ける方法があります!
でもくらちゃん03
髪どめのゴムの色!
なるほど!! さっそく見分けてみようじゃない!?

でもくらちゃん04

…。

無理。

…てかモノクロやないかい!w


でもくらちゃん (リュウコミックス)
なかせ よしみ
徳間書店

発売中の『COMIC リュウ』2009年9月号に「でもくらちゃん」8P掲載中。
よろしければチェックをば!
   22:40 | Trackback:0 | Comment:0 | Top

「黒子のバスケ」の写植と「トリコ」のネーム画像を発見!

いつものようにボケェーっとサイトを巡回していたら。
「黒子のバスケ」の写植と「トリコ」のネーム画像を発見しました。

ダービージョッキー」「モーティヴ」などの作品で知られる一色登希彦先生をご存じでしょうか。
ボクは個人的にファンで、ブログもよく読んでます。

一色登希彦/アトリエモーティヴ オフィシャルウェブサイト ブログ

とくに「漫画家のなり方」は、現場の経験をもとに漫画家自身が精緻な言葉で語るというエキサイティングなエントリで、食い入るように読んでいます。

さてその「漫画家のなり方」番外編では、印刷会社へ“社会科見学”した記事が書かれています。

「漫画家のなり方」79番外編 印刷会社さんに「社会科見学」(また長文です)


まんがが印刷されるまでの工程が細かく写真と文章でつづられていて…とても興味深かったです。
この記事の下のほう「手作業の写植」と書かれたところに、写植の写真があるのですが…。

いけぇ

■■と■■の

コンビネーション

アタック!!

ダメだわ…

■■■のせいで ■■■を組みこんだ

作戦が全部効かない…

しまった…

どっからでも

撃てるってことは…

一瞬でも

マーク外したら

アウトかよ!!

!?

(“■”は特定できないようにボカシが入ってます)

一瞬でもマーク外したら」…ってどこかで見たなと。
もしかして「黒子のバスケ」か!?
緑間とかいうヤツがエライ遠くからシュート決めてて、そんなセリフがあったような…。

で。
よーく見たら“■■■”が“黒子君”に見えた。ww
手持ちの『ジャンプ』を確認したら、まさにココだった。
ジャンプ3301
ジャンプ3302
・『週刊少年ジャンプ』33号「黒子のバスケ」より

上の画像は前のページの左下。
下の画像をセリフが見やすいように拡大します。
ジャンプ3303  
ジャンプ3304
ジャンプ3305
『ジャンプ』って今でも写植を手で貼ってるんですね。
パソコン上で作業する雑誌も増えてるという話ですが…。

「一瞬でも~」の写植、雑誌掲載時とフォント違いますね。
変えたのかしら!? なぜ!?
その辺はですね…。


さて、その写植の写真のすぐ下。
オペレーターさんが見ているネームの写真があるんですが…。
(上のは小さくて分からないので、下の少し大きい写真です)

ゴォォォ

ってやつ。
黒子のバスケ」というヒントから『ジャンプ』じゃね?と思ったボクは、ダメもとで33号を捜索

(1)見開きであること

(2)説明文が長いこと

から「BLEACH」とか「NARUTO」じゃないな、というカンは働きましたが…。
“ゴォォォ”なんて描き文字の作品、『ジャンプ』には多すぎなので無理と思ってました。

ジャンプ3306
・『週刊少年ジャンプ』33号「トリコ」より

めっかっちゃった。w

ネーム段階でも、ある程度の形までちゃんと描いてるんですね。
意外でした。(失礼)

しかしネームから写植を拾うってことは、ネームの文字を一字一句変えられないってことですよね。
…結構大変だと思うのですが、どうなんでしょう。
週刊まんが雑誌の現場ってこんなに時間に切羽詰まってるんですかね。

ネットで見た写真が、偶然『ジャンプ』の今週号のページだったので思わず記事にしてしまいました。
…現場からは以上!

   21:42 | Trackback:0 | Comment:0 | Top

アンソロジー「チェンジH pink」は、明るく楽しい変身・変装コミック!!

さっそく買いました「チェンジH pink」。
変身&変装モノ満載のアンソロジーコミックは、明るく楽しくHでたまらんぜこりゃ。

チェンジH pink (TSコミックス)
アンソロジー「チェンジH pink」(少年画報社)

『月刊ヤングキング』サポーター(なんじゃそれ)としては、やはり表紙の甘詰留太作品が気になる気になるぅー!!

チェンジH01
・甘詰留太「BOY MEETS GIRL GIRL MEETS BOY」

中学3年の岡下勇は“後天性性転換症”。
体が“”に変化してきて、微妙な状態。
案の定、同級生男子にいろいろイジられる毎日…。
ある日、クラスの女子のボス的な存在・小出純子同じ病気とわかって…!?

純子の家ではじまる“お着替え”。
女の子になりつつある、勇。
男の子になりつつある、純子。
ビミョーな年齢の男と女…知りたいことはいろいろとあって…!?
チェンジH02
やり方ってコラ。w

ワクワクドキドキ、…ドギマギ。w
転校生」を思わせるこういうやり取り、すげー好きです。

男と女。
まぜこぜになったふたりの間に、やがて“”がうまれる…。
ちょっと変わった“ボーイ ミーツ ガール”。
これはクセになりそうです!


そして『月刊ヤングキング』で「ゆるゆる」連載中のたかみち先生作品も掲載!
チェンジH03
・たかみち「ガールズ サンクチュアリ」

女子高の密集する地区にある、女性専門のオープンカフェ「ガールズ サンクチュアリ」。
女の子の“秘密の花園”的なその場所には、女装して忍び込む連中があとをたたない。
…そしてここにも!?

チェンジH04
カフェで働く女の子と↑の子が出会ってどうなるのか…。
コレ、続き読みたいッス。w

カラー8ページ。
冬に発売される次の「チェンジH pink」にも載るといいなー。


そのほかに気になった作品をいくつか。

チェンジH05
・新井祥「麗しき♡女装の世界」

両性具有の作者が描く“女装”の世界。
両性具有、とサラッと描かれててビビリました。

チェンジH06
・佐野タカシ「女装子女」

『月刊ヤングキング』では「あげきす」連載中の佐野タカシ先生。
女性上位となった近未来、男を捨て“女装子女”として生きるカノジョたちの物語。
どう見ても女の子なんだけど“女装子女”。
…ごちそうさまでございます。

チェンジH07
・大井昌和「具美人」

『月刊ヤングキング』で「おくさん」連載中の大井昌和先生は“お嬢さま”と使用人のお話。
和の雰囲気がいいですねー。


ほかにも「ブロッケンブラッド」の塩野干支郎次先生、「エクセル♡サーガ」の六道神士先生などなど。
興味深い面々が勢ぞろいのアンソロジーコミック。

異性への変身”がテーマということもあり、なんか危険なトビラが開いてしまいそうになる作品群。
ぜひ読んでみていただきたい。
チェンジH pink (TSコミックス)
甘詰留太 新井祥 大井昌和 おりもとみまな 佐野タカシ TALI ポン貴花田 夕凪薫 六道神士 たかみち 鈴木晶子 塩野干支郎次
少年画報社

【付記】7/15
“TS”って“トランスセクシャル”のことですが、このアンソロジーコミックでは「異性へ変身する(異性装ふくむ)物語」と規定してます。
実際、異性装の話が多いですし、純然たる“TS”好きの人は注意が必要かも。



ちなみに少年画報社のページで一部、立ち読みできます。
少年画報社HP(「チェンジH pink」)

Amazonでは「出品者からお求めいただけます」になってますね。(7/14現在)
…まさかもう品切れ!?
セブンアンドワイではまだイケそうです。(7/14現在)

セブンアンドワイへ→TSアンソロジー「チェンジH pink」(少年画報社) icon
   22:36 | Trackback:0 | Comment:0 | Top

古屋兎丸「幻覚ピカソ」は、絵でココロの悩みを解決する少年の物語

【あらすじ】
葉村ヒカリ(通称ピカソ)は絵を描くことが大好きな高校生。
河原で絵を描いてるさなか、同級生の千晶とともに不幸な事故に遭う。
千晶は亡くなり、ヒカリは奇跡的に助かった。
…だがある日。
背中に羽がある、ミニマムサイズの千晶が胸ポケットから現れる。
じつは事故でヒカリも死んだのだが、“ある条件”つきで“生き返った”のだと告げる。
その条件とは…!?

幻覚ピカソ01
古屋兎丸「幻覚ピカソ」(1)(集英社)


誰よりもヒカリの絵の才能を信じていた千晶。
死ぬ間際“素晴らしい才能をもつヒカリを助けて”と強く願った。
その願いは、条件付きで聞き届けられる。

その条件は“人を助けること”。

本来死んでいたヒカリの体は、徐々に腐敗がすすんでいく。
だが、どうやって人助けしたらいいかわからない。

同じクラスの杉浦くんのまわりに“黒いもやもや”を見たヒカリは、とっさにスケッチブックに描き始める。
完成した絵は、杉浦くんの心象風景だった。
幻覚ピカソ02

悩める杉浦くんを救うため、ヒカリと千晶は絵の中に入りこむ!
そしてなんとか絵の風景を変えることで助けようとするのだが…!?


心象風景という異世界に入り込み、人それぞれの負の感情トラウマと向きあう物語
が面白い。

まるで“ココロのパズル”を解くように。
描かれた絵の意味を考え、絵の中で行動し、絵を変えていく
つまり“ココロ”を変えてゆくのだ。

少しずつ、もつれた感情の糸を解きほぐしていく過程のスリリング
そして、負の感情にとらわれていた人が変わっていく清々しさ
まさに“王道”といえる物語に、おおいに引きこまれた。

さらに人助けという行動が、ヒカリとその周囲を変えていく。
自分の世界にこもりがちだったヒカリが、人を助けることで、人と“繋がっていく”のだ。

千晶は、ホントの意味でヒカリを“助けた”のかもしれない。
…なんて考えてしまいました。

美麗な絵も光る本作、なかなかにオススメです。


   22:17 | Trackback:0 | Comment:0 | Top

清原なつの「花図鑑」~“花”たちの物語~【まんが人再録】

初めて知ったのは15年ほど前の某雑誌。
そこには可愛い女の子が2人で妊娠検査薬の反応を見ている場面が引用・掲載されていた。
ただならぬものを感じた私は、本屋を探しまわって購入。
それが清原なつの「花図鑑」である。
清原なつの01
・清原なつの「花図鑑」第5話「水の器」

「愛と性のシリーズ」と銘打たれたこの短編シリーズは、大人未満の少女が直面する心とからだの問題が繊細に描かれている。
一歩間違えばスキャンダラスになりがちな内容を、格調高い叙情と絶妙のスタンスで表現したこの作品は歴史に残る金字塔ともいえる。
以下、「花図鑑」を中心に清原なつのが描く“性”の物語を見ていこう。


高校生の梨花は、兄が連れてきたお嫁さんとの同居にいらだっていた。
子どもを望む両親に対し、なかなか子どもができない兄夫婦。
“赤ちゃん”という言葉がタブー食卓は微妙な空気に。
そして繰り返される、なまなましい夜の営み……。
ついにキレた梨花は「人工授精でもすれば」と暴言を吐いてしまう。
清原なつの02
・清原なつの「花図鑑」第14話「梨花ちゃんの田園のユウウツ」

愛があれば私も何でもするようになるのだろうか。

常識も恥ずかしい気持ちもなくしてしまって、自分をおとしめることすらいとわない。

そして体を必要以上に傷つけても結晶を宿したいと思うのだろうか。

(清原なつの「花図鑑」第14話「梨花ちゃんの田園のユウウツ」より)

性への嫌悪感から、人を傷つけ……。
だが梨花も“いずれは通る道なのだ”と気づく。
女という性へのとまどいが端的に表現された一編である。


クラスで浮いた存在だった少女・木崎あんぬは、自分をアネモネにたとえる。(第18話「風の娘-アネモネ-」)
アネモネは、あたりにたくさん咲いてたにもかかわらず、ネアンデルタール人の墓に供えてもらえなかった淋しい花。
食べ物にも薬にもならない、なんの役にもたたない……むしろ毒のある花。
そんな花に自分をたとえていた。
だが彼女と結ばれた少年・高津はいう。

「花は花自身のために咲いている」

少女の性も異性に従属している訳ではない。
心とからだ、ゆるやかな成長のなかで、みずからの運命を選び取ることができるはずなのだ。


「花図鑑」よりも前に発表された短編「春の微熱」では、いとこの男性とひとつ屋根の下に暮らすことになった少女・久美が描かれる。
「パンツいっしょに洗ったらニンシンする」と極端に潔癖な久美は夜道で露出狂に出会い、男のイチモツを見せられる。
清原なつの03
・清原なつの「春の微熱」

あんなのを見せられて、しかえしったって女には何も見せるものが無いじゃない。

いつだって被害者なんだわ。

(清原なつの「春の微熱」より)

少女の性は被害者でしかありえない。
だけど、加害者を選ぶことはできるのだ。
少女の姉はいう。

好きなタイプでうれしかったらやっぱりチカンじゃないわ。

好きなタイプでも嫌だったらチカンよね。

(清原なつの「春の微熱」より)

少女にこんな大らかな判断は難しいかもしれない。
けどその判断ができたとき、少女は大人の階段を上るのかもしれない。


では不幸にも判断とは関係なく、被害者になってしまった場合はどうなのだろうか。
「花図鑑」シリーズが描かれるきっかけとなった短編「空の色水の青」では、宮崎勤の事件(※注)をモチーフにした物語が描かれている。

幼いころ近所のお兄さんにいたずらをされた少女は、自分は汚れていると思いこみ、男性と関係を持てないでいた。
そんな彼女が一風変わった男性と出会い、結ばれる(救われる)までを描いた物語だ。
結ばれた朝、ニュースでは、連続幼女誘拐殺人事件の容疑者が捕まった報が流れ、少女は涙を流す。
男性はいう。

まちがって傷つけられたとしても、生きていれば自分で癒す強さを持っている。

(清原なつの「空の色水の青」より)


不幸にも被害者になってしまった女性の物語は「花図鑑」の最終話にてシリーズをまとめる形で描かれている。

最終話「ノリ・メ・タンゲレ」は、幼いころ無理やり暴力で性行為されたことが原因で性交ができない女性・多貴子の物語。
ある夜、彼氏である正人の前に現れた多貴子は、なんとセーラー服を着た幼い少女の姿だった。
少女は事の真相を正人に教え、私を愛して下さいという……。
清原なつの04
・清原なつの「花図鑑」第20話「ノリ・メ・タンゲレ」

幼いころ、気持ちと関係なく「被害者」になってしまった多貴子。
幻影として現れた幼い多貴子は、愛する人を「加害者」として選び直すことで、救われようとしていたのだ。
正人と結ばれた幼い多貴子は姿を消し、無事ふたりは結ばれる……。

まちがって傷つけられても、自分で癒す強さ。
生きてさえいれば、愛する人を加害者として選び直すことだってできる。

美しく可憐なだけではない。
生きていくつよさ、人を愛するつよさを謳った「花」たちの物語。
この感動は胸に刻まれ、決して消えることはないだろう。


※注 1988-89年に4人の幼女を殺害、遺体を切断。遺灰を被害者宅に送りつけ、当時世間を震撼させた事件。

(以上、同人誌「まんが人」6号(2004夏)より再録)
↓に追記もちょっと書きました。

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祝! まんが人blog 1周年!!

2008年7月にはじめた「まんが人blog」もついに1周年!

“ブログをやりたい”と思っていたボクですが、なかなか踏み切れず。
ずっと参考になるまんがレビューブログを巡回する日々…。

これじゃいかん!と一念発起。
「とにかくはじめてから考える!」と決めて走りだして…。

最初の目標は、100エントリ。
次の目標は、1年続けること。

次の目標は…まだ決めてません。w


大手ニュースサイトに取りあげられることもなく、細々と続けているこのblogですが…アクセスカウンタは16,000を超えました


いつも見てくれている方、そしてたまたま見てくれた方。
コメントをくれた方、拍手をくれた方。
すべての皆さんに感謝いたします。

訪れた方に、ちょっとでも何かが残るような。
そんなブログにしていけたらいいなぁ、と思っています。

今後とも、よろしくお願いいたします。


「まんが人blog」管理人 hebitaro
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ゆでたまご「生たまご ゆでたまごのキン肉マン青春録」は友情パワー200パーセントのまんが家自伝

「キン肉マン」。
説明の必要もないほど有名な作品だが、作者のゆでたまごについては、どれくらい知っているだろう。

嶋田隆司(原作)、中井義則(作画)の2人組で大阪出身。
プロレスファンで、「必殺仕事人」に出たこともある…というくらいしか知らなかった。

ふたりが出会う前の幼少期から、「キン肉マン」連載社会的ブーム到来、そして連載終了後のスランプ、さらには復活まで。

まんがへの姿勢から、プライベートまで。
ゆでたまごのすべてが描かれた自伝である。
(まんが作品じゃないけど、まんが関連ということでとりあげます)

生たまご ゆでたまごのキン肉マン青春録
ゆでたまご「生たまご ゆでたまごのキン肉マン青春録」(エンターブレイン)


ちなみにこれは、まんがじゃありません
文字ばっかりの本です。(ご注意を!!)

幼少期から順に時間に沿って、嶋田・中井ふたりの“証言”を交互に掲載するかたち。
おなじ思い出を語るときは、内容がカブッたりする。
それが立体視のような不思議な効果を生み、過去が“立体的に”浮かびあがってくる。

高校時代。
ふたりは同じ高校に入学したんですが、中井はデザイン科嶋田は商業科と別れてしまう。
なぜなら、嶋田は「商業科のほうが女子が多いだろう…」と下心を出したから。w

だが予想とちがって高校自体が不良の巣窟
商業科はさらに不良のエリートが集まる場所だったのだ。
嶋田いわく「暗黒の時代」。

でも中井はというと…。
嶋田が商業科に入り、友だちもいないから仕方なく商業科の食堂へ行き、会ってたら。
「(不良の巣窟である)商業科の食堂行くなんてスゲエ」
中井はデザイン科の中心的な存在に

こんなアホな顛末(w)がふたりの視点で描かれていて、笑わせてもらいました。
なんか中学・高校時代って総じてアホやね…。(もちろん自分含むw)

生たまご01
(オビより)

気づいた人もいるかもしれないが、嶋田って…変人である。

ゆでたまごでデビューしてすぐ、ふたりで同居してたら神経質すぎてノイローゼ気味になったり。
(以後ふたりは別々に暮らす)
まんが家やめて“漫才師”になろうとしたり。(実話)

コンビを組んでた、中井の心境はいかばかりだろうか…。w
 

読者ハガキの重さでアパートの床が抜けた話。
スランプのときに本気で自殺を考えた話。
専属契約を打ち切り、集英社を出るとき「まんが家としてもう厳しいんじゃないの?」的なことをいわれた話。
アニメ化で大もうけしたというイメージがあるけど、9割は税金で消えたという話。

…などなど「キン肉マン」のファンならずとも興味津々のエピソードが満載。
小学生のころに出会い、ずっとふたりで歩んできた「まんが道」。
「キン肉マン」の友情パワーは、彼らふたりのアツい“友情”から生まれたのはまちがいない。

生たまご02
(オビより。セリフが泣かせます…)

“男”と“男”の濃密な関係から生まれた「キン肉マン」。
作品同様、作者の“物語”もアツく燃えていた。
機会があればぜひ読んでいただきたい1冊である。


生たまご ゆでたまごのキン肉マン青春録
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