新刊・旧刊をふくめた、まんがレビューblog。 その他、まんがに関すること。 
 
 

谷川史子「P.S.アイラブユー」は、仕事に没頭した独身女性の“もうひとつの可能性”を描いた物語

いまに不満があるわけじゃない。
だけど…。
もしあのとき、こうしていたら。
ふとしたときに振りかえる、過去の分岐点。
もしも枝分かれした先、もうひとつの可能性を見ることができたら。
私たちはなにを感じるのだろう。

【あらすじ】
伊勢一三子、33歳独身。
ドイツ語の翻訳家としてバリバリ働く“仕事大好き人間”である。
そんな一三子は、図書館で9歳の草市くんと出会う。
子供が苦手で最初は腰が引けていた一三子だけど、だんだん草市くんと親しくなっていく…。
表題作「P.S.アイラブユー」前後編+「Room201」3編、計5編の短編集。

P.S.アイラブユー01
谷川史子「P.S.アイラブユー」(集英社)

うしろから突然話しかけてきて。
自分の都合で帰っていく。
のびのびと明るい草市くんに振り回されていた一三子だけど…。
P.S.アイラブユー02

またあしたねー!

太陽みたいな笑顔にあったかくなって。
一三子のこころに小さな陽だまりができた。

…でも。
自分と同い年くらいの草市くんのお母さんを見て。
思いをめぐらせてしまった。
P.S.アイラブユー03
もし、あのとき結婚していたら。
草市くんみたいな息子がいたのかもしれない。

仕事は大好きで、いまが一番しあわせ。
選んだ道に後悔していない。
だけどだけど…。
それが正しいのかは、誰にもわからない。

一三子のまえに突然あらわれた“もうひとつの可能性”。
切なさはもちろんあった。
でも、それ以上に草市くんは愛おしかったんだ。
P.S.アイラブユー04

バイバイ、またね!

この地球のどこかで、草市くんは笑顔で生きている。
それを思うだけで、一三子は頑張れる気がした…。


いくらいまが充実していても。
“あのときこうしていれば”って思いは誰にもある。
だからこそ“失われた可能性”をネガティブに考えたくない。

あのとき選んだ自分がいたから、いまの自分がある。
過去に選んだ道が失敗だと感じていても、それを含めていまの自分を肯定したい。
みんなそうです…よね?

そんなあなたの背中の荷物が、ちょっとだけ軽くなる物語。
明日の朝は空を見あげて、大きく息を吸ってから会社にいこう。
…そんな気分にさせてくれます。

やっぱり谷川史子の短編にハズレはないですね!



   23:59 | Trackback:0 | Comment:4 | Top
 
 
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